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十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

トルコドラマ版「マザー」(原題ANNE) 1〜7話 感想

面白い。

7話は日本版だと折返し地点すぎてクライマックスに向かうところですが、ここからあと78話もあります。

 

全85話と知って怖じ気づきそうになりましたが、BS日テレで放送始まったトルコ版「マザー」にハマリつつあります。原作の日本版はリアルタイムで視聴しておりました。が、やはり細かいところは忘れてしまっているのでwikiでさらっと復習しまして、今のところほぼ原作通りに進んでいるという印象です。

7話でもう周りにメレク/トゥルナ(芦田愛菜ちゃんにあたる役)の正体がバレてしまい、これからあと80話近くもどうすんだよ!!ってヒヤヒヤ。記者がいきなり死ぬとかしないと話進まね〜んじゃ!?かといってテンポが悪いとも思わないし、主人公が逃亡の決断くだす前にそれなりの話数費やすかと思っていたらそうでもない。原作でも衝撃だった7才の女の子が母親にゴミ袋に入れられて捨てられるシーンも同じようにあります。主人公は教師を辞めて街を出て女の子ともそれっきりのつもりだった……はずなんですけど、保護した後に「私が母親になる。一緒に逃げよう」となります。この一連の流れが改めてすごいとしか言いようがないです。頭では誰もがダメだと思うんですけど、警察なり児童相談所なり行ったところでメレクは本当に救われるのか?と問われると言葉が出ないというのが正直な感想です。いずれまた母親の元に戻るにしても施設に行くにしても、それは主人公から愛されて育つよりも幸せなのか。正しくないのは分かる、それでも主人公に愛されて育つメレクを見たいと思ってしまいます。主人公が、うっかりさんこと実母に漏らす「傍観者が犯罪者になっただけ」という言葉が重いです。

 

それにしてもトルコ版は音楽が物悲しい劇伴ばかりで、これが結構ウッときてしまいます。テーマ曲?がめちゃくちゃあの有名な「シンドラーのリスト」の曲を連想させるメロディで、メレクが笑顔の時ぐらいトトロの「さんぽ」ばりのルンルン音楽流してくれないとやりきれない。まあほのぼのしたシーンは本当に少ないのですが。

 

トルコがドラマ輸出大国でこの作品が世界で大ヒットしたのは知っておりましたが、7話しかまだ見てないにしても素晴らしいリメイクなんじゃないでしょうか。ちなみに自分はトルコドラマ見るのは2作目でして、1作目はこれまた日本のドラマ「僕のヤバい妻」リメイク版でした。そしてこのヤバい妻役の女優さんが「マザー」で育児放棄する母役を演じてます。結末もどうやら日本版とは違うらしいし、周りの登場人物の掘り下げ(実母と育ての母、主人公姉妹とか)、そして育児放棄母がなぜこうなったのかなども丁寧に描かれるんじゃないかと予想しており原作との違いを楽しみたいと思います。育ての母が弁護士という設定も後に絶対活きてきそうです。

 

 

これまでの登場人物の印象(括弧内は日本版で演じた俳優)

ゼイネプ(松雪泰子)・・・クールビューティーという言葉はこの人の為にあるのでは。ぱっと見近寄りがたい雰囲気を持ち家族も含め人と距離をおく彼女。でも心根は優しいというのが物語序盤から伝わってきます。捨てられたメレクを助け、涙を流す2話の場面は必見でした。テーマの母性というよりも傷ついた子供が目の前にいたら守りたいと思うのは人間の持つ当たり前の感情だと思いたいけど、そうではない現実があります。改めて、子供が元々好きではないという人物が主人公なのが良いと思いました。

メレク/トゥルナ(芦田愛菜)・・・か、かわいい〜〜(泣)トルコの天才子役も素晴らしい。表情や目線なんかは多分演出がすごいというのもあると思いますが、あの大人を伺うような、この人は信頼してよいかどうかを必死に判断しようとしている姿に泣けてきてしまう。

ギョニュル(田中裕子)・・・ゼイネプの生みの母。刑期を終え出所した直後に娘と再会するも、孫娘だと思ったトゥルナの真実にいち早く気づきます。ゼイネプの生みの母に捨てられたという過去が彼女を形成する大きな部分を占めているので、この親子のストーリーも楽しみです。田中裕子さんの穏やかに話す印象が残っていますが、こちらも同じく優しいお母さんというイメージがハマっている方です。

ジャヒデ(高畑淳子)・・・ゼイネプの育ての母。ゼイネプが血の繋がりがないことを引け目に感じているのも分かっていると思われるのに何を遠慮するの!家族でしょ!と強引に押し切ってしまう所があって、でも良い優しいお母さんというのは分かります。ゼイネプへの愛情が強すぎて真ん中の妹が姉に対して若干拗らせているのも気づいてなさそう。突然現れた孫にすでにデレデレなバリキャリおばあちゃん。

シューレ(尾野真千子)・・・メレク失踪後の生気のない演技が素晴らしいです。メレクを捨てたのは衝動的な行動で、自分を攻めている?悲しんでいる?とも受け取れる表情がまたなんとも。擁護は出来ないが、彼女のこれまでの環境を無視することは出来ないと思います。

ジェンギス(綾野剛)・・・綾野剛は不気味で何を考えているか分からないド畜生でしたが、トルコ版はヤクザになり損ねたチンピラ風クズという印象。

 

あと姉妹に関しては、とにかく末の妹のドゥルが癒やしの存在です。真ん中のガムゼも色々複雑な事情抱えているので注目して見てます。ガムゼとメレクの交流がほとんど無いのでこの辺もどうなるか。