ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

漫画「九龍ジェネリックロマンス」7巻までの感想

 

九龍ジェネリックロマンス 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

面白すぎる。7巻でとうとう核心に近づいてきましたが、まだまだ謎が多いです。香港・九龍城砦を舞台に日本からの転勤で駐在している不動産会社員の男女が繰り広げるロマンス。

 

1巻からジェネリックテラなるよく分からん物体が空を飛んでたりしてSFものかと思いきやタイトル通り大人の「ロマンス」が描かれています。こんな半異世界のような世界観なのに主役二人が普通に会社員して恋愛して、これがものすごく映えている…すごく面白いです。作者さんのあとがきであったトレンディドラマな雰囲気、どんぴしゃ。また、「恋と懐かしいという感情は同じ」みたいな名言が出てくるのですが、ウワ何かよく分からんけど分かる…という頭の悪い感想が浮かびまして、懐かしいと思う気持ちってどんどん掘っても言語化がむずいよな~とも思ったり。

 

本作の主人公・鯨井令子さんは今までの記憶が無く、同僚・工藤発の婚約者として写真に映っている自分そっくりな人を見て衝撃をうけます。果たしてこれは自分なのか、自分とは別の人なら自分は誰なのかと悩むことになるわけですが、同僚も何か知っているのに煮えきらない態度。令子さんは二人いて、でも作中では「クローン」説は否定されていて。おいっ工藤はっきり言ってくれ!あんた、令子さんのこと嫌いっつったりどこにも行くなって言ったりなんだてめーは!惑わすのも大概にしろってなりそうなんですけど、令子さん(鯨井本体?)との過去が明かされ、いなくなった婚約者とクリソツな人を前にしたら情緒不安定になるのもしょうがない…となってしまう。

作中に出てくるタバコとスイカの組み合わせみたいな別人のはずなのに同じ嗜好や癖を見つけて懐かしく思う気持ち。同じではないところを見つけてどこか寂しい気持ち。いやはや面白い。そして見た目瓜二つだけど表情が本体と主人公で別人、という超高度なことを作者さんはやってのけています。(何となく、1巻の表紙だけ鯨井本体さんで2巻以降が主人公な気がしてます。眼鏡有無関係なしに。)

 

工藤の婚約者だった令子(本体?)は自殺で亡くなったこと、どうやら九龍城砦自体も数年前に取り壊されているということに加えてとんでもねー事実が明かされるのですが、その謎はしっかり明かされそうな感じなので期待です。個人的によく分からん謎をそういうもんだから、で押し通されるのは好きじゃないので。

詳しくは書きませんが令子さんと工藤を取り巻く人間模様も非常に魅力的でとにかく今先が気になる漫画ナンバー1です。