ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

ドラマ「ハートストッパー」感想

Netflix配信ドラマの感想です。

 

「ハートストッパー」

これは素晴らしい。8話を二日で見てしまいました。原作は読んでません。

チャーリーというゲイの中学生がニックという男の子に恋をする話。日本では最近BLドラマ大量生産の時代になってきている印象ですが、いくつか見てて思うのは、異性愛者と思っていた人が同性から告白され自分の性的指向に悩む、この描写が全然無い。ドラマだし漫画原作がほとんどなのでまあ分かるんですけど、普通に好意を持っている人で同性から告白されたら大半の人は結構悩むんじゃないだろうか、と思うわけです。「ハートストッパー」はそこの心理描写(ニック側)をものすごく丁寧に描いていて、面白いというより素晴らしいし優しいドラマという感想が一番に来ます。

 

物語冒頭、チャーリーにはベンという恋人と言っていいのか悩む隠れた付き合いをしている人がいて、まあ結局後に別れるんですけどこの経験からやはり恋には臆病になってしまう…そんな時にニックという優しい友達ができてあっちゅー間に恋に落ちます。チャーリーもチャーリーで、ニックの好意は伝わるけど恋愛という次のステップのハードルの高さ、そしてチャーリーはカミングアウトしているのでニックが周りから好奇心や奇異な目で見られることも恐れています。とにかく二人ともお互いを思い合ってて優しい。

 

チャーリーのカミングアウトはやむを得ずそうした、みたいなニュアンスでさらっと流されていましたが、ドラマ内では友人のレズビアンカップルがSNSでカミングアウトする描写があります。2022年の「今」だなーと思います。他の米ドラマでも思春期の中学生ぐらいの子が本当の自分を隠したくないから、と実名SNSでカミングアウトする場面を見たことあったりしたんですが、現代だなと思う一方正直自分の中の余計なお節介ババアが、実名でやるのもっと慎重になって!!と叫んでしまう。案の定「ハートストッパー」では悪口言う奴らがわんさか出てきて辛いシーンもあります。あ、同性が好きなの?ふーん。で終わって優しく見守る人が大半ではないんだよなあ残念ながら。

 

ニックとチャーリーはめでたく恋人になるわけですが、わざわざ周りには言わないけど大切な人には隠したくない、と話し合います。あととても良かったのは二人共家族に悩みを話すところ。ニックの母ちゃんはオリビア・コールマンですこれは驚いた。

ドラマ見てカミングアウトするハードルが無くなって自然になっていく世の中に近づいていけばなあと思いました。ベンみたいに同性愛者であることを隠し一人で抱え込んでどうしたらいいか分からないって子も多いんじゃないでしょうか。

 

つらつら書きましたが、ニックとチャーリー二人のシーンもとても好きですが、一番印象に残ったのはニックが女子の告白断る時のシーンかもしれない。チャーリーが、男が好きかもしれない、と直接的な言葉は言わずに、悩んでいたという自分の気持ちを丁寧に誠実に伝える様子がぐっとくるものがありました。それを受けた女子の返しも、良かった…。あとトランスジェンダーの子とチャーリーの親友も。本当に良いドラマでした。