ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

中国SF小説「三体Ⅰ」をSFド素人が読んでみた

 

何を血迷ったのか「三体」に手を出してしまいました。私がどれだけSFに対する素養が底辺かというと今NHKやってるアニメ「銀河英雄伝説」、一応追って見ているんですけど5話ぐらいの時点で話がよく分からなくなったぐらいのレベルです。今までSF作品に触れる機会が圧倒的に少ない人生を送ってきたのにも関わらず軽い気持ちで手を出してしまい、想像以上に科学やら物理やらよく分からないものが出てきてハ?となってしまいました。作者は宇宙人です。

 

ただこれだけ複雑で込み入った物語になると、私は映像よりも活字の方が理解しやすいタイプなので、これまっさらな状態で例えばアニメで見ても9割分からない状態に陥るだろうなと思ってしまいました。(活字で読んで5割ぐらいの理解度)

 

レビューやSNSで「三体」がめちゃくちゃ面白いという感想を見ると皆スゴイな〜としか出てこない(アホ)。私が「三体Ⅰ」読み終わってまず思ったのは

わたし、虫けらだわ

ということです。いや虫けら以下だわ。イナゴにすらなれない、そんなことを思ってました。しかしながら、あとがきでもあったオバマ前大統領の感想がびっくりするぐらい自分とシンクロしたのも事実。三体を前にしたら自分の悩みとか吹っ飛ぶ感覚に陥りある意味ドラッグをキメた状態と言っても過言ではないかもしれません。本当に素晴らしいエンタメは嫌な現実を忘れさせてくれます。

 

私がシンプルに「面白い」と言えないのはやはり作中の科学者たちの言ってることがこんなにも分からなくていいのか?って疑問があり智子って何や…と。私の得意技よく分からなくても何となく蜃気楼のようなぼやっとしたイメージを掴みとりあえず次に進むという技は次巻の「三体Ⅱ 黒暗森林」では何の意味もないものになりそうですが、近々また本屋に走りたいと思います。これ間あけて読むのはよくないタイプの話です。

 

こんだけ分からん分からん言ってますけどそれでも没頭して読めたのは主人公の女性、葉文潔の物語に引き込まれたからだと思います。また、学生時代に中国の歴史を少しかじった程度ですが文化大革命の時代背景も多少勉強した記憶があるのでそれも大きいかもしれません。そして文化大革命と聞くとどうしても忘れられない映画がありまして。大学で「シュウシュウの季節」という映画をスポーツカーに乗る少し小汚い風貌の阿笠博士みたいな教授が勧めていてある時この映画校内で流すから希望者は見てみろってな具合で何となく観てみたらトラウマ級の内容でなんつーもん見せるんじゃと、若干の怒りを抱いたものです。この映画は一生忘れないと思います。

葉文潔が私はまだマシなほうなのかもしれないというようなくだりがあった気がしますが、ここで私はそうだね僻地に飛ばされたシュウシュウはもっと地獄だったかも…と思いながら読んでました。

 

誰にでも分かるように書くと、一人の聡明な女性が全てに絶望し、地球なんか滅んでもいいやと半ばヤケクソになっていたところに宇宙人(三体星人)からの交信がきたら?という話。天才が権力と財力を手にして狂人となるストーリーがたまらんのです。で!更に頭の悪そうな感想ですけど、これ現実で起こり得るのでは?と段々思えてきてしまうのです。私は地球文明よ滅んでくれとは思わないと言ったら嘘になります。人がヤケクソになる過程は本当に面白い。

そして作中の人物はどいつもこいつも頭がよくて何言ってんのか分からん人ばかりなので唯一言っていることが全て分かる史強(警察官)さんが出てくると非常に安心感があります。(史強も頭がキレる人ではある)史強、好きだわ〜。

 

 

三体

三体