ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

最近観た邦画 「淵に立つ」「デイアンドナイト」「万引き家族」

"あんまりすっきりしないし、解釈はみんなひとそれぞれだから"系の映画の感想3連発です。

 

「淵に立つ」(2016)

うーわーうーわー嫌な映画観た!!浅野忠信氏が突然家に住み着いたことである家族の歯車が狂っていく話。いや浅野さんが来る前に既に淵で何とかバランスを保っていたような家族だったので。古館寛治さんが家族に関心の無い父親役を演じてて、ちゃんと仕事して妻子養ってDVや虐待する訳でもないのに冒頭の食卓シーンから嫌悪感マックス。中盤で一人娘が障碍を負い常に介護状態になるというショッキングな事件が起こり、その後浅野さんが突然消える、という何かしら彼が事件(事故?)に関わっていると思われるけど直接的なシーンを見せないところが上手すぎると思いました。古館さんが娘がこうなったのは自分が過去に犯した罪の罰を受けたんだと言及するシーンでは、鑑賞者にもそういう印象与えるような作りになってるのもげんなりでしたが、妻(筒井真理子さん)の不倫も担っているような発言にも更に嫌な気分になりました。

ラストは太賀さん演じる職場の新人と娘が倒れている所で先に新人を助けようとする古館父さん。娘を助けようとするのが一番最後で、また助かったかどうか分からないまま終わるのでうわーーーえげつない終わり方!嫌な映画としてしばらく私の中で存在し続けると思います。(嫌いという訳ではないです)

 

◆「デイアンドナイト」(2019)

善人そうに見えた人達が実は犯罪犯していた、という事実を知り戸惑いながらも同じ道に足を突っ込んでいく主人公。失礼ながら阿部進之介さんは初めて認識しました。劇場で「キングダム」観ましたけど、バジオウ役だったんだ!?顔晒してないから分かんないわ〜〜。

そして清原果耶ちゃんがまた凄まじい演技見せてます。圧倒的存在感を放つヒロイン。阿部さん演じる明石との関係は、おっさんと女子高生の組み合わせキモってなりかねない気がしますが、何だかこの二人は縁が途切れないで欲しいと思ったし、とにかく見所は清原さんです。

話は食べていく為に違法な手段で金を得るという「万引き家族」に通じるものもあります。国の補助だけでは養護施設を運営するには厳しい現実があるということや正義を貫く為の手段が犯罪という選択が悲しい。主題歌もとっても良かったです。

 

◆「万引き家族」(2018)

ぼんやり万引きのみで生計を立てている家族の話かと思っていましたが、微妙に違いました。皆働いてました、リリーさんも安藤さんも松岡さんも。プラスで希林さんの年金足してもそれでも万引きしなきゃ食べていけないという貧困の現実。虐待されてた女の子を保護(というより何も考えずに連れて帰る)してからも行き当たりばったりな家族にハラハラしながら観ました。この映画が語られる際に絆という言葉が使われるのも何だか違和感があります。誰も何の責任も持っていないので。こと子ども二人に関しては誰も相談所なり行政なりに相談するということを言い出さないのは、犯罪の後ろめたさからバレる恐れとかではなく私的にはまあいっか、役所は関わりたくないしこのままでも的なただの逃げに見え、ご飯食べさせて可愛がれば家族なのか?それだけじゃダメだろ、という思いがあります。だからと言って安藤サクラさん演じる信代が流した涙を否定する気にもなれないしあの女の子を娘のように思っていたのが痛いぐらい伝わってきたのも確か。

子供は必ず実親の元で育つべきなんて思わないし社会皆で育てていくべきだと思うんですけど、日本は今何でもかんでも息苦しい。社会的弱者も容赦なく吊るしあげるような風潮に疲弊した大人を救わなきゃ子供達も救われないのかなと、そんなことを思った映画でした。