ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

漫画「左ききのエレン」「アニメタ!」「トレース」感想 内側からしか見えない景色がある。

私は漫画は単行本派なので、電子書籍の試し読み等で面白いなと感じたら購入しているんですが、我ながら毎回毎回自分のカンは冴えているなと思ってます。思ってたのと違う…ってなることはほとんど無いです。小説は何となく買ってみたけどイマイチってのがたまに起こるんですが。最近は小説は読む気力がなくて漫画が日々の活力になっちゃってます。

 

最近発掘した漫画ですが、この3作品て全て原作者さんが自分が働いていた業界を舞台に描いています。

左ききのエレン」(広告代理店)、「アニメタ!」(アニメ制作会社)、「トレース」(科捜研) ですね。作者さんが中にいて「経験」したからこそ描ける内容なんだろうなと。30超えたあたりからつくづく思うのは、自分が見たり聞いたり勉強したつもりであったことでも経験の有無って大きく違うなということです…(仕事の話じゃないです)。内側からしか見えないことってあるんですよ(個人的な話です)。

 

このリアリティある舞台とフィクションとの融合がまさにエンタメ!漫画ならではというか漫画だから面白いと言ったら良いのか。

 

では感想を…。「左ききのエレン」と「アニメタ!」は読んで、自分が良い、好きだと思ったものには(限度はあるけど)お金使っていこう…自分はそうやってひっそり応援していこうと改めて思いました…。

 

 

左ききのエレン」 原作:かっぴー 作画:nifuni さん

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックス)

 3巻までの感想

広告代理店勤務のデザイナー朝倉光一(26)が主人公。 冒頭、デッドライン迫っているのに寝ちゃったことに気づくシーンの緊迫感がすごい。同時に"あぁ~あるある…寝ちゃうよね…(遠い目)もうシニタイ( ;∀;)ってなるよね…"って思いました。

熱血仕事漫画と言えるでしょう。とにかく登場人物達が熱いです。光一みたいに空回ってても一生懸命な奴は応援したくなるもんです。この空回りから脱却するのは、自分が天才じゃない、思い描いていたデザイナーにはなれないと気づいた時なんでしょうか。というか天才って何だ?って話でもあるんですが。私みたいな創造力の無い人間からすると光一も天才の部類だよと呟きたくなります。新人じゃなくて20代半ばという年代だからこその話が面白いです。

個人的には営業の流川さんとの話、3巻の高校時代の友人のタケちゃんとの再会シーンが好きです。"オレはオレの事で精一杯だった" ってセリフに思わず私もそうだったと頷くしかありません。いやいや光一くん、世界のほとんどは天才じゃない誰かの仕事でまわっているんですよ(とどっかのキャッチコピーを拝借してみる)  

後輩のみっちゃんも好きなんですが、あの髪型は何で?と素朴な疑問。

 

最近ではサントリープレミアムモルツの広告を作中の光一達が提案するという斬新なコラボしてて、この漫画も熱かったです。これも単行本に入れて欲しいですなあ。

 

原作者さんのこれとは真逆の超ユルイ雰囲気の漫画も思わず買ったんですけど、笑いました。バズマン。

バズマン

 

 

 

「アニメタ!」 花村ヤソさん

アニメタ!(1) (モーニングコミックス)

 4巻までの感想

アニメ作品ってなんで毎期毎期こんなに沢山あるの?

○○製作委員会ってよく見るけど何や?

アニメーターってなんでそんな給料低いの? etc

ってぼんやり思ってた疑問がこの漫画読んで解けました。例えば大ヒットした作品でもその売り上げが末端のアニメーターの給料に還元されるケースって少ないってことなんでしょうね…。ブラック環境、やりがい搾取、人員不足、新人育成、予算との闘い…という諸々の問題は、アニメ業界だけでなく他の業界でも同じ問題抱えているよなあとも思いました。

こういった現実もきっちり描かれているんですけど、ストーリーはスポ根です。絵が下手だけど動体視力が優れている主人公ユキムラ(19)がどうやったらうまく描けるようになるか試行錯誤する様子は結構具体的な描写もあり(腕を机につけずに描く、なるべく線を少なめに描くetc)でも上手くなっても時間がかかっていてはダメなので、素早く上手く描けるようになるには、もう描いて描いて描きまくるしかないという。アニメにおける動画の大切さはかなり重きを置いて描かれてます。

周りの見守る先輩や同期も魅力的です。ユキムラの同期、伊達さんの先輩が上に行くなら周りとコミュニケーションとった方が良いっていうアドバイスとか素敵なんです。あとは"自分のがんばりを認めてくれる人がいる"って大きいことだと思います。ユキムラの師匠の富士さんも九条監督もそれぞれの立ち位置からの苦悩がすごく伝わってきて、まあとにかく面白いんですわ!!

アニメ観る方は是非読んでみてもらいたいです。アニメの見方が変わるかもしれません。

 

 

「トレース 科捜研法医研究員の追想」 古賀慶さん

トレース 科捜研法医研究員の追想 1 (ゼノンコミックス)

4巻までの感想

まるでドラマを見ているかのような漫画ですが、ドラマよりリアリティ感じられます。作中の登場する色んな検査方法もかなり細かく説明されていてなかなか興味深いです。検査方法なんてドラマじゃ大体BGM流れてすっ飛ばされてますし。殺人事件だけでなく、孤独死、事故、痴漢など色んな案件出てきます。ここに出てくる痴漢はお尻触るというレベルじゃなくマジで!?ウゲェ気持ち悪い…信じられんって思いましたが、現実には後を絶たないとか。げんなりする話です。

主人公の真野礼二は、幼い頃両親、兄、姉を亡くしていてその真相を追うというストーリーも進んでいきます。主人公の過去が悲惨&事件に警察が絡んでいる、は正直どっかで見たり読んだことあるなあという設定ではあるんですが、科捜研という立場ならではの優位を生かして真相を暴いていくのは結構新鮮でもあり先が気になります。またこの手の漫画にありがちな主人公が変人タイプではなく、超ストイックキャラなのも良いです。ヒロイン?の新人の女の子とのコンビも。ちなみに、この子の名前は沢口で女の先輩にマリコさんという人がいます笑。