ロッキーファンに観てほしい。ドラマ「THIS IS US シーズン2」感想
超名作ドラマ「THIS IS US 」シーズン2をようやく観始めたので感想です。
THIS IS US/ディス・イズ・アス シーズン2 DVDコレクターズBOX1
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2018/12/05
- メディア: DVD
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5話までの感想
うおおおおおぉお!?第3話やばい!!
スタローンが出演してるなんて知らなかったです…
マジで超粋なことしてしてくれてますこのドラマ。
ジャックはスタローンの大ファン。これだけで泣けてくる…。
(ジャック役のマイロはロッキーの息子や…)「クリード2」のラストを思い出しちゃいました。
三つ子は37歳になったので シーズン1の邦サブタイトル「36歳、これから」が無くなってます。過去パートは子供達が10歳の頃と高校生の頃が交互に出てくるのですが、全然混乱しない構成です。いや本当に凄い。脚本のことなんてよく分からないですが、本当によく出来た作りだし、セリフも沁みます。どの人にも当てはまる言葉がきっと出てくる。ああ人生。としか言えなくなってきます。
シーズン1の感想でジャックはパーフェクトと言いたいぐらいのイイ男と書きましたが、お酒の問題がかなり深刻な状態であったことが分かってきました。これはもうやっぱり…というか人間そんな強くないし、これはジャックがどこかずっと気を張って頑張って生きてきたということです。弟のことなど、まだ隠された過去が色々出てきそうですが、レベッカとの関係も試練の時期はめちゃくちゃ感情移入して観てます。家庭をずっっっっと円満に回していくなんてことは到底無理無理無理ゲーなことであって、やっぱり努力もどこかで必要な時がある、と思います。結婚は好き同士で最初はスタートするけれども、家族はチームで頑張らないと上手くいかないと最近思ったりするなど、このドラマ観てると非常に胸が痛い…。
とりあえず5話までの主なハイライトは
・ジャックの死は火事が関係してる…?
・ジャックに弟がいた
・ケヴィンが映画でスタローンと共演してロッキーの息子について話す(違)
・ランダル里子を引き取る
・ケイト妊娠
ランダルは当初男の子の赤ちゃんを養子にしたい、とベスに打ち明けましたが、最終的に親元で暮らせない厳しい境遇にいる子を里子として引き取ることに。ここに至るまでの話、とっってもとっっても良かったです。ベス、本当に魅力的で、ベス!私と結婚してくれ…となりました。そしてデジャという12歳の女の子がランダル家にやって来ます。12歳には到底見えぬ大人びた子だが。あとランダルとベスが実の娘二人とも赤ちゃんの頃から育児の苦労ほとんど無かった、とか言い出だしたのには、思わずマ、マジでかーーってなり夜泣き地獄を思い出すなどしてました…たまーーにいるんだよなそういう人…。
ケイトとトビーの関係もいい感じです。トビー結構好きになって来ました。
そしてケヴィンがジャックのこと思い出すシーンはこちらも泣けてきました。
最後に。
ケヴィン役の吹き替えのみシーズン1担当した高橋一生さんから変わってます。ああーー(察し)。やっぱり演技と声優のお仕事って全然違うのね…と。ぶっちゃけあんまり上手くな…あ、いや違和感がありましたので変わって良かったと思います。
日本のドラマ界は海外の作品リメイクラッシュが続いてますが、今リメイクするべきはこの作品じゃないの!?家族の在り方、夫婦の関係、子を育てていくとは。大げさに言いますけど今日本が真剣に考えなくてはいけないことが詰まっている気がします。業界の人、頼みます…。医療もの、弁護士もの、刑事もの、もう飽きました。正直最近面白い作品全然無いし(あー言っちゃった)。
シーズン1の感想
ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」にモヤモヤしたところがあったという感想
日本だって素晴らしいドラマがあります。。(超小声)
神様は腐女子。な〜るほど!!その視点は無かった!!
タイトルで敬遠している人も結構いそうなドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」、コメディなノリかと思いきやかなりリアル路線の話で主人公の純くん見てると非常に苦しいですがドラマとして面白いし色々考えてしまいます。これが今の日本の現状なのかなと思います。「おっさんずラブ」や「きのう何食べた?」もゲイの悩みや葛藤も挟まれていますが、それがメインテーマにはなっておらず、ニヤニヤ出来る幸せな世界観が魅力と思ってて。というかシロさんの高校時代も純みたいな感じだったんだろうなという目線でも観ていました。
まず、主人公の金子大地くんの演技はおっさんずラブのマロ役との振り幅が激しすぎて目眩起こすレベルです。腐女子の三浦さん役の藤野涼子ちゃんも等身大の高校生らしいハツラツとした演技がとっても良かったです。
どうして自分みたいな人間が生まれるのかな、とこぼす純に、そんなことを思わせてしまう今の世の中に色んな思いがぐるぐる回ってしまいました。。いわゆるマイノリティとされる人が身の周りにいると関わる側も、正直同じこと思ったりします。そりゃどんな人でもありのままに生活できる寛容な世の中だったらこんなこと思わないです。
苦しい〜しんどいドラマだと思いながらも、カミングアウトという行為も、そりゃ言いたくない人が圧倒的多数だと思いますが、言うか言わないかということじゃなくて、言いたい人は言って言いたくない人は言わなくてもいい。個人の考えが尊重されるということが大事だよな…ってこれ別にLGBTだけの話じゃないとも思ったりするなど、ドラマの内容は非常に好印象でもっと広まればな、と思いました。
だが、しかーし。
第7話の三浦さんが全校生徒の前で大告白かますというのが、どうしても受け付けませんでした。三浦さんに対してというより、制作側はなんで三浦さんにこれやらせたんだよ!?と。私は原作未読ですが、原作にもあるから、という理由でぶち込んだならなんだかなあ〜〜
私は青春学園ものでありがちな全校生徒の前でやらかす(大体は好きです告白パターン)というあるある場面が大っ嫌いな人間なのですけども、今回は、三浦さんが自分が腐女子であることを告白した時点で終わっていたらここまで不快な気分にはならなかったです。だって自分のことだから。勝手に叫べば?問題はその後。名前は出さなくても誰と付き合っていたか丸わかりの状態で、「ゲイでした。」「セックスできませんでした。」…ってお前がアウティングすんなや!!いやもうなんなわけ?こんなん全校生徒の前で言われたら私だったら三浦さんを末代まで呪います。最後は「キスして」
…って意味が分からないここは日本です!!カンカンカーン!!!!
6話まで本当に見応えあるドラマだったのに、一気に萎えたし最終回観るの止めようかとも思いました。まあ見届けましたけども。三浦さんが細胞の突然変異起こしたとしか思えないレベルの凶行、6話までの三浦さんと全然結びつかないです。
あの体育館は現代社会の縮図とかメタ的な意味で三浦さんに叫ばせた、とかそういう意味?
いや知らんがな。叫ばなくても視聴者には伝わるが!?既にゲイバレしてるからと言って他人が言っていいことではないし、「彼氏とセックスできませんでした。」ってそんなこと誰も聞きとうないし誰がどう考えても配慮が必要な発言。だからといってこの表現がムカつくからやめろ!も違うんですが、ただ私はドン引いたという感想を持ったというだけです。まあ翌日には別にどうでもいいや、ってなったんですけども。
ほんと、このシーン以外は素晴らしいドラマでした。
で。
唐突ですが最近観てみた2018年公開のアメリカ映画「LOVE,サイモン 17歳の告白」もゲイの高校生が主人公なのですが、非常によく出来た青春映画でして。腐女子、うっかり〜と共通する部分が結構あったので、感想残したいと思います。
本作品の主人公サイモンも、
・ゲイであることをアウティングされる。
・そのことで同級生からからかわれる。
・オンラインでのみ交流する本名を知らないゲイの友人には本音が言える。
・友人の女の子から告白される。
・友人や家族との関係も良い。
でも純とサイモンの違うところは、サイモンはゲイであること自体はそんなに悩んでいないというか既に受け入れています。ただ、友人や家族にはなかなか言えずにいることに悶々とする毎日。学校内に隠れゲイがいることを知り掲示板経由で接触を図り、メールのやり取りをするようになりその彼の人柄に惹かれていく…てな感じです。純とファーレンハイトもオンラインのみで繋がった関係でした。
周りの友人たちの恋愛に頭を突っ込む羽目になったサイモン。そのせいで関係が拗れていき、しまいにはアウティング事件に繋がります。
サイモンはアウティング事件前に転校生の友人一人だけには自分からカムアウトしてて。後になんで(ゲイであること)言ってくれなかったの?と幼馴染に詰められ、付き合いが長いから言えなかった、と答えるのですが、付き合いが浅い人の方が言えてしまうとか顔が見えない人の方が本音が出てしまう…という心理はよく分かるので、ゲイとか抜きに、ああ、そうかもと思わされる描写が良かったです。
そもそも、わざわざゲイっていう必要あんのかい異性愛者はいちいちカミングアウトしないだろーが!というサイモンの自問するくだり、妄想入ってコメディシーンになってて面白かったですが、真剣に考えると積極的に言いたくない人でも、場合によっては言わないことで周りを傷つけてしまうこともあると思うので…これは本当に難しい。
家族に関しても、純とサイモンの母も、もしかしたら何か抱えてるのかな?と思っていたけども踏み込んでいいか分からなかったという感じで、知ってからも真っ向から否定はしないけど戸惑いが見えるという演技が素晴らしかったです。純の母はちょっと無自覚の偏見を滲ませていましたが、二人の母は見ていて本当に世の中こうあってほしいと思った優しい家族だったので学校サイドの話が辛い場面があった分、救いでした。
というか「LOVE,サイモン」も…最後、学校の皆から見守られながら告白の返事を待つというシーンがあって。日本の作品だったらイラついたと思いますが、アメリカという海の外の話と思えばフーンで済むしなんならアメリカ人派手なこと好きだしな(超大雑把な偏見)、で気にならないのですがこれはしょうがないです…。だって私日本人だから日本の作品観るとどうしても厳しい目で観てしまうのです。
映画「ウインド・リバー」感想 どん底にいるのはお前のせいと言い切れるのか。
少女ばかりが殺される土地
キャッチコピーだけでレイプ殺人を想像しましたが…後々見えてくる先住民保留地の現実が重くのしかかる映画でした。自然環境が非常に厳しい、主人公コリーの息子がまだ幼いながらも銃を持つことが日常化している(単にハンターの息子だから?)、そういう土地なんですよ、と序盤に頭に叩き込まれ、少女が死体で発見されてからのサスペンス展開、迫力ある銃撃戦も見応えあって2時間以内という集中しやすい長さも良かったです。(最近の映画長すぎるの多いんだよな…)
コリーが被害者の少女の兄(グレて家出中)に"大学や軍じゃなく、この生き方を選んだ。お前の選択だ"みたいなこと言ってて、キッツいセリフだなあと。そして先住民ではないコナーに言わせるところが効いてます。ネイティブアメリカン達は植民者達に追いやられ辺境の厳しい地に強制移住させられた。産業が無いから職もない、娯楽もない、何の希望も見出せない中で犯罪に走る人が増えそれが当たり前の状態になっていく…
兄の言った
"怒りが込み上げて世界が敵に見える"
この怒りが力のない少女達に向けられるという現実。真相調べようにも警察の手が圧倒的に足りなく現地の自治にある程度任されているという部分も興味深かったです。そして大して調べられずに忘れられていく事件が山ほどあるということ。というか死体が見つかった場合はまだいい方で、あの雪山で埋もれて発見されていないただの失踪者とされている人も大勢いるんだろうなと伺えます。
この現状をフェアじゃない世界だけどどん底にいるのはお前個人のせいと言い切っていいのか?という。犯人達のやったことはクソという言葉では足りないぐらいのクソであることは大前提ですが。あの兄貴がそのまま妹を殺した奴らと同じ道に進むのか、脱出できるのか、その道はどこで別れるのかにしても行政、国は助けてくれないという現実が重すぎます。
被害者のナタリーの恋人マットは悪いやつではなかったっぽいですけど、どう見てもアラフォーぐらいのおっさんが18、9?歳の子と付き合っている図もなかなかキモいなと。ああいう環境にいたら大人の男性に惹かれてしまうのもしょうがないと思うべきか。かろうじて(アメリカでは)成人しているとは言え。マット役のジョン・バーンサル、私が観た出演作品は「ウォーキング・デッド」、「ボーダーライン」ときてこの作品なのですが全部印象悪いしょうもない役ばっかりやんけ最高ちょっと好きになってきました。
話の本筋から少しずれるかもしれませんがちょっと思うところがあった部分がありまして。ものすごく厳しい見方ですけど、コリーの娘が亡くなった時の状況は"フーン…下の子は当時まだ5歳なのに夜に家空けるんだ…"って思っちゃって。まあもしかしたら義理の両親に預けていたのかもしれないですけど、少々モヤっとしてしまいました。悪いのは犯罪者なのに被害者側に自衛意識が足りないんじゃないかと責める風潮があるのは最近の日本で感じますが、この考えは危険だなと思いつつも、絶対に自分だったらやらない(この場合だと幼子残して夜に家を空ける。理由は夫婦二人になりたかったから)ことをやられると複雑な気持ちになってしまいます。
彼の"子どもができたら絶対に目を離すな"はそれだけ犯罪に巻き込まれる可能性が高い土地であることを意味しています。またコリーの話を聞いたジェーンがトイレで、ぜっっっったいに犯人捕まえてやると決心したように見えた表情がとても印象に残りました。ジェーン、新人捜査官にありがちな仕事が出来ない、やる気だけはあるが空回りする、みたいな映画ドラマのあるあるタイプじゃなくストレス感じずに好印象持てるキャラでした。死ななくて良かったよ。。
本作はたまたま犯人が分かったケースであるものの、何の権利もないコリーが犯人を罰する、そしてそれも公にはならず闇に葬られていくんだなと思わせる内容がまた恐ろしい映画でした。。まあ犯人に対してはざまあとしか思わなかったですけれど。