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十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

漫画「違国日記」感想 フライド・グリーン・トマトを観てみた。

 

違国日記(1) (FEEL COMICS swing)

ヤマシタトモコさん作「違国日記」感想です。普段心のどこかでそう思っているけどあえてそれを表に出さないこととかがわーーっと描いてあって、そうそうそうだよなあ…と思いながら読みました。登場人物達のやりとりがこんなにもスーっと沁みるように入ってくる作品はなかなか無いです。巷の色んなランキングに食い込むのも納得の作品でした。

 

あらすじ

小説家の35才・高代槙生が姪の朝(15)を引き取り一緒に暮らし始める話。

 

4巻までの感想

この漫画、特にどでかい出来事が起こるわけでもなく、日常の些細なハプニングを通して二人と周りの人物たちとの交流が淡々と続くわけですが、どこが面白いかと言われると非常に説明しづらい。

慎生さんと朝ちゃんは叔母と姪ですが、交流が全然無かった為ほぼ他人と言っても良い関係から同居がスタートします。慎生さんがめっちゃ素の「大人」をさらけ出すので朝ちゃんはその姿に戸惑い感じながらも色々影響受けていく様子が良いです。慎生さんにも言えることですが。

 

人と暮らすって疲れること沢山あります。他人はもちろん血の繋がった家族でも。以前、友人達と一旦実家を出て自分の生活スタイルが確立されてくるともう実の親でも同居キツイってなっちゃうよね〜という話が出まして、私だけじゃないんだなそう思うの…となりました。特に私は槙生さんと同様、一人の時間が無いとだめなタイプで、その時間で息抜きしながら何とか生活保てている部分があります。

何もかもが合う人なんてこの世にはいないので、言っても無駄だから諦めてストレス抱えながら暮らすか(世のほとんどの家庭がそんなもんじゃないの?と思ってしまう)、勇気を振り絞って歩み寄るか…。歩み寄った結果が上手くいくとは限らないですけども、槙生さんと朝ちゃんのやりとりを見ていると何となく救われる気分になります。

 

個人的にウッッとなったのは朝ちゃんが、なんで今掃除しないの?なんでそんな簡単なことできないの?って慎生さんに詰め寄って言い合いになる場面(朝ちゃんはしっかり者です)。掃除以外でも何でも当てはまりますこれは。でも槙生さんは不器用なところが沢山あるかもしれないですけど、相手が誰でも仮面をつけないところが非常に魅力的に映ります。

 

戦闘力53万が通じないとは…もうそういう時代なのか。。朝ちゃんには「マッドマックス 怒りのデスロード」(誰が観ても面白いビジュアル系脳筋映画だと思っていますけど…)を、悩めるえみりちゃんには「フライド・グリーン・トマト」を勧める槙生さん。「フライド・グリーン・トマト」は全く知らない映画だったので思わずレンタルしてしまったのですがこれえみりちゃんにすっごく響くだろうな…という映画でした。友情を超えた何かで繋がった女二人と何にも楽しくない結婚生活を送る更年期障害に悩む主婦…そしてDV差別野郎をぶっ殺して食うというマジかよ!なゾワっとなるシーンもあります面白かったです。

 

えみりちゃんの母は本当にどこにでもいるようなお母さんで、娘にはいずれ結婚して子供産んで…という人生を送って欲しいと思っていて。私の世代はそれが当たり前のことのように育てられて疑問すら持たなかったですけど、槙生さんのようなことを言える大人ってなかなかいないよな、と。とにかく色々考えてしまいました。朝ちゃんの亡くなった母も一面からでは分からなかった姿がもっと見えてくるのか…次巻も楽しみです。