ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

漫画「ダブル」感想

ダブル(2) (ヒーローズコミックス ふらっと)

1巻読んだ時に何これめちゃくちゃ面白い…と頭抱えました。

作者は野田彩子さん、「ダブル」の感想です。

 

あらすじ

鴨島友仁(30)と宝田多家良(たからだ たから 同じく30)は同じ劇団に所属し舞台で活動している無名俳優。飛躍したい友仁に対して多家良はキャリアアップに興味が無い。そして友仁がいないと何も出来ない多家良だが彼の持つ才能に気づく者たちが現れる。ある事務所からスカウトを受けたことを機に、ドラマ出演、映画出演と波に乗りかけた多家良だったが…?

 

 2巻までの感想

まず二人はアパートで隣に住んでいるんですけど、ご飯の世話から演技プランまで多家良が友仁に頼りっきり。天然と形容していいのか、見てると世話を焼きたくなるような人はたしかにいますけど、冷静に見ると世話してもらって当たり前のように振る舞う多家良は正直私はイライラする部分があります。友仁も役者として飛躍したいという願望を持ちながらも、多家良にも世界一の俳優になってほしくてその為のサポートなら惜しまないといった感じなんですけど、才能ある多家良の世話をすることで保っているようにも見えます。

 

分かりやすく言えば共依存関係なんですけど、この二人の関係が崩れる時がいつくるのか…友仁が俳優「宝田多家良」の一部になっちゃっているという奇妙な関係にマネージャーの冷田さんも早々に気づくわけです。

 

二人が役について話し合う場面とか、本当に細かくて。いやTVドラマってそこまで細かく役作りしてる人っているのかな…とか思っちゃったんですけど(超失礼な発言)、多家良は台本読めないし機転きかないし友仁と台本に書いてない部分を全てを作り込んでおかないと対応できない。そしていざ撮影に臨みますが、ミステリードラマだと思ったらコメディだったという…そんなバカな。要求される演技が違いすぎてパニクった多家良は友仁と電話で話すことによって冷静を取り戻し、無茶言う監督を納得させる演技を披露します。そして共演者から有名監督の映画のオーディションの話を聞き受けることになります。

 

役は主人公とその親友の不良仲間役。多家良がオーディション受かった時の友仁が本当に嬉しそうで、自分はオーディション受けて落ちているわけでいやこれキツくないか!?多家良は受かってルンルンだし察するという能力が全く備わってない…しかし、撮影か始まったら多家良の演技(もちろん友仁と考えた)は監督に誰の入れ知恵かとすぐに見抜かれてしまい、ドラマの時と同様NG連発。役が友仁との関係にリンクしたことで多家良が見えたものは、友仁の自分に対する嫉妬でした…

 

演技力に才能があっても生活能力が無く社会人として基本的な素養も全くついていない(敬語や時間の管理とか諸々)多家良が劇団でぬるま湯に浸かって世話されて楽しく仕事できていたのは友仁がいたから。でも友仁はそんな環境に多家良を置いてしまったことを悔いてもいるわけで。ただ多家良はやれば出来るとかではなく色んなことが「出来ない」人なんだろうと思います。この二人の歪んだ関係にはハラハラしますがとても面白いです。