ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

「KUBO/クボ 二本の弦の秘密 」「ぼくの名前はズッキーニ」感想 可愛いストップモーションアニメの世界

メイキング映像などをチラ見しただけでも気が遠くなる職人技が堪能できるストップモーションアニメ映画2本の感想です。

 

 

「KUBO/クボ  二本の弦の秘密」  (2016) 

感想

まず観た人の9割が思うと思うんですけど、日本リスペクトが本当に素晴らしい&嬉しい作品でした。最近だとエンドゲームの日本描写にあ!?(モヤ)っとなったのでやれば出来るじゃんか!!と超上から目線の失礼な感想を抱いてしまいました。

折り紙に命を吹き込むようなシーンは圧巻だし、サルとクワガタを連れてアイテムを手に入れながら旅に出るストーリーはなんとなく桃太郎を連想しました。最終的に身内と戦うのもなかなか斬新とも言えるかもしれません。アクション、音楽も最高で、日本昔話を超金かけて作った贅沢なおとぎ話、という感じでした(貧相な感想)。吹替版も字幕版も両方素晴らしかったです。

 

 

ぼくの名前はズッキーニ 」 (2016)

感想

子どもが辛い思いをする話はあんまり見たくないのですが、評判も良いしキャラのビジュアルから何となくほっこり系なのかなというイメージで鑑賞しました。正直、主人公のズッキーニの目の周りが青いので病人…つうかクマがひどい超不健康な子どもに見えたんですけど、不思議と愛着が湧いてくるのでした。

元々原作小説は大人向けの内容で、このアニメ版は子ども向けに脚色したとか。実写版もあるみたいですけど、実写では見たくないかな…と思う内容でした。重い重い。アルコール依存症だった母親を事故で亡くし児童養護施設に入所することになったズッキーニ。様々な理由で親と暮らせない子ども達との交流が始まるのですが、この子達の境遇が重すぎる。親がヤク中、殺人、強制追放…性虐待受けていた女の子もいます。

 

ズッキーニはボス格のシモン(根は優しい子)にちょっと意地悪されたりするものの、次第に思春期入りかけた性行為に興味津々な男児達と打ち解けたり、新しく来た女の子に恋したり雪山で遊んだりと明るさを取り戻していきます。心なしか青いクマも薄くなったような…(絶対気のせい)。また、施設の先生や優しい警察官など、周りの大人達が皆まともで優しいのはかなり救いです。

ラスト、警察官のおじさんがズッキーニと彼女のカミーユの二人を引き取ることになりますが…。ちょっと寂しそうなシモンが非常に印象的でした。おいおい…好き合ってる思春期男女を同居させるって大丈夫かいな??と突っ込んでしまったのは私だけだと思いますが、確かにこの話に救われる子どもはいるだろうなと思う一方、残る子どもたちのことも気になったのが正直なところ。救われる人もいれば更に絶望を感じてしまう人もいるのではないか、ということです。シモンがズッキーニにこの年で(9、10才ぐらい)で引き取られるのは稀、とか、子どもらが先生が産んだ赤ちゃん見て、"赤ちゃんが〇〇でも捨てないで"とか言ってるのも厳しい現実を垣間見るシーンでした。(〇〇はバカ、とかブスといったワードが入ります)

 

ところで主役のズッキーニの吹替が峯田和伸さんなんですけど…なんでおっさんをキャスティングしたのか訳が分からないです。9歳の少年やぞ。字幕版の可愛らしい声に癒された後吹替版どんなもんかと観てみたらズッキーニがおっさん声になってました。一部界隈で頻発している吹替声優問題にはかなり寛大である(というか正直あんまり興味がない)と思い込んでいた私ですらちょっとだけふざけるなよ…と思ってしまいました。この作品は絶対字幕版を推します。