ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」にモヤモヤしたところがあったという感想

  

彼女が好きなものはホモであって僕ではない

彼女が好きなものはホモであって僕ではない

 

 

www.nhk.or.jp

日本だって素晴らしいドラマがあります。。(超小声)

 

 

神様は腐女子。な〜るほど!!その視点は無かった!!

 

タイトルで敬遠している人も結構いそうなドラマ腐女子、うっかりゲイに告る。」、コメディなノリかと思いきやかなりリアル路線の話で主人公の純くん見てると非常に苦しいですがドラマとして面白いし色々考えてしまいます。これが今の日本の現状なのかなと思います。「おっさんずラブ」や「きのう何食べた?」もゲイの悩みや葛藤も挟まれていますが、それがメインテーマにはなっておらず、ニヤニヤ出来る幸せな世界観が魅力と思ってて。というかシロさんの高校時代も純みたいな感じだったんだろうなという目線でも観ていました。

 

まず、主人公の金子大地くんの演技はおっさんずラブのマロ役との振り幅が激しすぎて目眩起こすレベルです。腐女子の三浦さん役の藤野涼子ちゃんも等身大の高校生らしいハツラツとした演技がとっても良かったです。

 

どうして自分みたいな人間が生まれるのかな、とこぼす純に、そんなことを思わせてしまう今の世の中に色んな思いがぐるぐる回ってしまいました。。いわゆるマイノリティとされる人が身の周りにいると関わる側も、正直同じこと思ったりします。そりゃどんな人でもありのままに生活できる寛容な世の中だったらこんなこと思わないです。

 

苦しい〜しんどいドラマだと思いながらも、カミングアウトという行為も、そりゃ言いたくない人が圧倒的多数だと思いますが、言うか言わないかということじゃなくて、言いたい人は言って言いたくない人は言わなくてもいい。個人の考えが尊重されるということが大事だよな…ってこれ別にLGBTだけの話じゃないとも思ったりするなど、ドラマの内容は非常に好印象でもっと広まればな、と思いました。

 

だが、しかーし。

 

第7話の三浦さんが全校生徒の前で大告白かますというのが、どうしても受け付けませんでした。三浦さんに対してというより、制作側はなんで三浦さんにこれやらせたんだよ!?と。私は原作未読ですが、原作にもあるから、という理由でぶち込んだならなんだかなあ〜〜

私は青春学園ものでありがちな全校生徒の前でやらかす(大体は好きです告白パターン)というあるある場面が大っ嫌いな人間なのですけども、今回は、三浦さんが自分が腐女子であることを告白した時点で終わっていたらここまで不快な気分にはならなかったです。だって自分のことだから。勝手に叫べば?問題はその後。名前は出さなくても誰と付き合っていたか丸わかりの状態で、「ゲイでした。」「セックスできませんでした。」…ってお前がアウティングすんなや!!いやもうなんなわけ?こんなん全校生徒の前で言われたら私だったら三浦さんを末代まで呪います。最後は「キスして」

 

…って意味が分からないここは日本です!!カンカンカーン!!!!

 

6話まで本当に見応えあるドラマだったのに、一気に萎えたし最終回観るの止めようかとも思いました。まあ見届けましたけども。三浦さんが細胞の突然変異起こしたとしか思えないレベルの凶行、6話までの三浦さんと全然結びつかないです。

 

あの体育館は現代社会の縮図とかメタ的な意味で三浦さんに叫ばせた、とかそういう意味?

 

いや知らんがな。叫ばなくても視聴者には伝わるが!?既にゲイバレしてるからと言って他人が言っていいことではないし、「彼氏とセックスできませんでした。」ってそんなこと誰も聞きとうないし誰がどう考えても配慮が必要な発言。だからといってこの表現がムカつくからやめろ!も違うんですが、ただ私はドン引いたという感想を持ったというだけです。まあ翌日には別にどうでもいいや、ってなったんですけども。

 

ほんと、このシーン以外は素晴らしいドラマでした。

 

 

で。

唐突ですが最近観てみた2018年公開のアメリカ映画「LOVE,サイモン 17歳の告白」もゲイの高校生が主人公なのですが、非常によく出来た青春映画でして。腐女子、うっかり〜と共通する部分が結構あったので、感想残したいと思います

 

 本作品の主人公サイモンも、

・ゲイであることをアウティングされる。

・そのことで同級生からからかわれる。

・オンラインでのみ交流する本名を知らないゲイの友人には本音が言える。

・友人の女の子から告白される。

・友人や家族との関係も良い。

 

 

でも純とサイモンの違うところは、サイモンはゲイであること自体はそんなに悩んでいないというか既に受け入れています。ただ、友人や家族にはなかなか言えずにいることに悶々とする毎日。学校内に隠れゲイがいることを知り掲示板経由で接触を図り、メールのやり取りをするようになりその彼の人柄に惹かれていく…てな感じです。純とファーレンハイトもオンラインのみで繋がった関係でした。 

 

周りの友人たちの恋愛に頭を突っ込む羽目になったサイモン。そのせいで関係が拗れていき、しまいにはアウティング事件に繋がります。

サイモンはアウティング事件前に転校生の友人一人だけには自分からカムアウトしてて。後になんで(ゲイであること)言ってくれなかったの?と幼馴染に詰められ、付き合いが長いから言えなかった、と答えるのですが、付き合いが浅い人の方が言えてしまうとか顔が見えない人の方が本音が出てしまう…という心理はよく分かるので、ゲイとか抜きに、ああ、そうかもと思わされる描写が良かったです。

 

そもそも、わざわざゲイっていう必要あんのかい異性愛者はいちいちカミングアウトしないだろーが!というサイモンの自問するくだり、妄想入ってコメディシーンになってて面白かったですが、真剣に考えると積極的に言いたくない人でも、場合によっては言わないことで周りを傷つけてしまうこともあると思うので…これは本当に難しい。

 

家族に関しても、純とサイモンの母も、もしかしたら何か抱えてるのかな?と思っていたけども踏み込んでいいか分からなかったという感じで、知ってからも真っ向から否定はしないけど戸惑いが見えるという演技が素晴らしかったです。純の母はちょっと無自覚の偏見を滲ませていましたが、二人の母は見ていて本当に世の中こうあってほしいと思った優しい家族だったので学校サイドの話が辛い場面があった分、救いでした。

 

というか「LOVE,サイモン」も…最後、学校の皆から見守られながら告白の返事を待つというシーンがあって。日本の作品だったらイラついたと思いますが、アメリカという海の外の話と思えばフーンで済むしなんならアメリカ人派手なこと好きだしな(超大雑把な偏見)、で気にならないのですがこれはしょうがないです…。だって私日本人だから日本の作品観るとどうしても厳しい目で観てしまうのです。