ただ言いたいだけです。

十数年ぶりに漫画熱が復活した昭和生まれ。主にドラマと漫画のネタバレありのスカスカな感想をたれ流すブログです。

青春のすべてがつまってました。 漫画「坂道のアポロン」

坂道のアポロン(1) (フラワーコミックスα)

小玉ユキさんの坂道のアポロンの感想です。2018年に実写映画が公開されます。

 

あらすじ

1960年代の佐世保を舞台とした転校生の主人公・薫の友情・恋愛・ジャズを中心とした青春物語です。(大分はしょってます)

 

絵柄について

落ち着いた絵柄の雰囲気がこの60年代の田舎という舞台と合っているなあと思いました。あとヒロイン律子のそばかすがかわいいです。

 

全9巻+番外編1巻の感想

私はこの時代生まれていませんしジャズも全く聞かないですが、それでもすっと作品の世界に入り込むことが出来ました。薫・千太郎・律子を中心にくり広げられる友情と恋の物語は、当時こういう高校生達きっといたんだろうなあと思わせるぐらい魅力的で、でも胸が痛くなるような青春物語でしたよ。

 

最初、薫が少し人を見下すようなひねくれちゃってる感じの子かと思いきや、律子に速攻恋に落ちてからはなんだ可愛い子じゃん、と一気に好きになりました。しかし、薫、千太郎、律子、百合香、と最初みんな片思いですね。薫は千太郎との出会いを通してジャズにはまっていき、どんどん感情豊かになり恋愛でも積極的な面を見せるようになっていきます。百合香は、あんなに情熱的な子だとは思わなかったです。番外編にあった淳一と上京した後の話もとても良かったです。

 

個人的には、薫と千太郎がそれぞれ自分の家族と向き合う話が印象に残りました。特に千太郎の複雑な生い立ちと育った環境には胸が苦しくなります。事故後の失踪する展開には、えーーーいなくならないで~~と思いつつでも千太郎がそうするしかなかった気持ちも分かるし・・・その後薫は喪失感抱えながら大学生になり医者を目指しますけど、この期間の律子との関係もリアルだなあと思いました。最後は、お見事としか言いようがありません、素晴らしいラストでした。

 

テンポよく色々な出来事が起こるし、ドラマチックな話が続くんですけど、キャラ達のモノローグ、セリフ、表情はゆっくり丁寧に描写されている印象でとても共感できました。あとジャズシーンは、この子たちの演奏聞きたいなあと思いましたよ。これが全9巻に収まっているところも素晴らしいです。青春の全てがぎゅっと詰まっている作品でした。

 

実写映画も気になりますが、アニメを見てないのでそっちを先に見たいなあと思いました。あと同じ作者さんの「月影ベイべ」も完結したので読むぞ!